2023年11月20日更新

監修記事

築50年の住宅のリフォームと建て替えを比較!

築50年も経った家は、現在の家とは造りや工法も大きく異なるため、建て替えとリフォームのどちらを選ぶべきか、慎重に選択しなければなりません。この記事では、リフォームと建て替えのメリット・デメリットだけでなく、築50年住宅の特徴についても、併せて解説しています。

築50年の住宅をリフォームする費用は?

施工:フレッシュハウス まずは、築50年の住宅をリフォームする場合の、費用負担やメリット・デメリットを見てみましょう。

全面リフォームと建て替えはどちらが得なのか

建物の築年数や保存状態によって、リフォームと建て替えそれぞれにかかる費用は異なります。 また、工事を行う目的や、その家に住む家族の人数やライフスタイル次第でも、リフォームと建て替えのどちらを選ぶべきか変わってくるでしょう。

全面リフォームと建て替えの違い

費用負担の差を比較するためにも、まずは全面リフォームと建て替えの違いについて知っておきましょう。 全面リフォームにも、リノベーションやスケルトンリフォームなどがあるため、工事の種類の違いもしっかり把握しておく必要があります。

全面リフォームとは

キッチンやお風呂の交換といった部分的なリフォームではなく、柱や梁などの構造体以外を作り替えるリフォームのことを全面リフォームと呼びます。 明確な定義はありませんが、全面リフォームのうち、内装仕上げや設備を作り替えた場合は「リノベーション」になり、柱や梁など構造体のみを残して解体し、一から建て直すと「スケルトンリフォーム」と言われています。
リフォームと建て替えの費用を比較!費用負担の差は?

建て替えとは

建て替えでは、建物の内装や外装だけでなく、構造体も含めたすべてを解体し、新たに建物を作ります。 一見、スケルトンリフォームと似ているように思えますが、スケルトンリフォームが構造体を残したまま行われるのに対し、建て替えでは、構造体含む建物すべてを解体し、新築のように家を建て直します。

築50年住宅のリフォームの費用相場

築50年の住宅のリフォーム費用は、工事費用や部材価格を含む、約1000~1500万円が相場です。築年数が浅い住宅と比較すると、費用負担は約500万円ほど割高になってしまいます。 その理由として、築50年の住宅では、広範囲に及ぶ構造材の補強や、現在と異なる使いにくい間取りの改修など、大掛かりな工事が発生してしまうことが挙げられます。 中には、約500万円前後でリフォームが行えた事例もありますが、このようなローコストな費用に収めるためには、過去に定期的に点検や補強リフォームが行われた、保存状態が良い住宅でなければ難しいでしょう。
築50年の住宅のリフォームと建て替えを比較!

築50年住宅のリフォームのメリット

施工:フレッシュハウス 構造材の状態が良ければ、高額な建て替えを選択せずに、リフォームだけで快適な家を手に入れることができます。 極端な例ですが、築100年近い古民家でも、構造材や基礎の状態さえ問題がなければ、全面リフォームで快適な家に蘇らせることも可能です。 ただし、建て替えのような高額な費用が必要ないとはいえ、築50年の住宅では、築浅の住宅よりもリフォーム費用が割高になることは、頭に入れておかなければなりません。 古民家のリノベーション費用についてはこちら リフォーム費用の負担を減らすためには、耐震改修工事や断熱工事を併せて行い、自治体のリフォーム補助金が利用できるかどうかも調べておくと良いでしょう。

築50年住宅のリフォームのデメリット

築50年も経っていると、構造材に大きな劣化が生じている確率は非常に高くなります。 また、基礎の工法や建物の造りが現在とは異なるため、現代風にアレンジしようとすると、大幅な改修工事が必要です。 このような、劣化した箇所や使いにくい箇所は、建て替えであればすべて解体してしまうため、あまり注視する必要はありませんが、リフォームでは、これらの箇所が費用を高額にする原因になってしまいます。 例えば、築50年の住宅では、古い在来工法のお風呂が残っていることがあります。 古いユニットバスを新しいユニットバスに交換するリフォームは、機器の価格と工事費用を含めても、約90~120万円程度で行うことができます。 しかし、在来工法のお風呂をユニットバスに作り替えるリフォームでは、機器の価格は同じでも、工事の内容が増えるため、約100~150万円の費用が発生してしまいます。 無料で築50年の住宅をリフォームする費用の「比較見積もり」をしてみる>>
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築50年の住宅を建て替える費用は?

施工:フレッシュハウス 築50年の住宅でリフォームか建て替えかを相談すると、ほとんどのリフォーム会社は、建て替えを勧めます。 もちろん、多くのリフォーム会社が建て替えを勧めることには、築50年の住宅ゆえの正当な理由があります。 ほとんどの場合建て替えが選ばれる築50年の住宅ですが費用の問題または何らかの拘りでリフォームを考えている場合は、本当に正しい選択肢かどうか、建て替えのメリット・デメリットを把握したうえで、ご自身で判断しなければなりません。

築50年住宅の建て替えの費用相場

建物の大きさや土地の面積にもよりますが、築50年の住宅は、建て替えに約1500~2000万円の費用が必要です。

築50年住宅の建て替えのメリット

築50年の住宅で建て替えを行うメリットは、最新の技術が駆使された、耐久性の高い住宅が確実に手に入るという点です。 建物の保存状態が良ければ、リフォームでも耐久性を高めることは可能ですが、つぎはぎしたような、一貫性のない補強になってしまう恐れがあります。 また、築50年も経っていれば、ほとんどの場合、住宅ローンの返済も完了していると考えられます。 新しい住宅ローンの審査も通りやすく、抵当権の抹消も必要ないため、建て替えのためのローンが組みやすい状態と言えるでしょう。

築50年住宅の建て替えのデメリット

建て替えは工事費用が高額になるだけでなく、工事期間が長く、準備が大掛かりになるというデメリットがあります。 また、50年間の思い出が詰まった、愛着のある我が家をすべて解体してしまうことに、抵抗のある方も少なくはないでしょう。 さらに、築50年の住宅では、法改正によって建て替えそのものが行えない「再建築不可物件」になっている可能性が高く、その場合は、必然的にリフォームを選択しなければなりません。 再建築不可物件については、この後の項目で詳しく解説します。

築50年の住宅とはどのような建物か

リフォームと建て替えのそれぞれの費用相場やメリット・デメリットを知ったうえで、続いては、築50年という条件が、それぞれの工事に与える影響を見てみましょう。
築50年の住宅のリフォームと建て替えを比較!

現在の住宅と仕様が大きく異なる

築50年の住宅は、現在の新築住宅とは異なる工法や造りで建てられています。そのため、現在建てられている新築の家と比べると、様々な箇所に大きな違いが見られます。 これらの違いは、補修や作り替えのための追加費用が発生する原因になることもあるため、主な特徴をよく把握しておきましょう。

基礎の作り方の違い

まず大きく異なるのが、基礎の工法です。築50年など古い家の基礎は、「束石」の上に柱を乗せた「独立基礎」で作られていることがあります。 一方、現在の住宅の基礎は、「布基礎」や「ベタ基礎」など、鉄筋やコンクリートで建物全体の底部を補強し、かつ建物と基礎を金具でしっかり一体化され、地震の揺れや風圧に強くなっています。 しかし、古い住宅に使われている独立基礎は、衝撃を受けると束石と柱が外れることもあり、建物の歪みや倒壊を引き起こす原因となってしまいます。

水回り設備の違い

築50年の住宅は、キッチンなど水回り設備の位置にも特徴があります。 例えば、現在のキッチンは、リビングの中に設置する「オープンキッチン」が主流です。 一方、築50年の古い家では、ダイニングの裏側や土間付近など、キッチンのみ別室に設けてられていることがあります。 キッチンの場所移動のリフォーム費用についてはこちら また、洗濯機が屋外にしか設置できなかったり、脱衣所が狭く洗面台が廊下に設置されていたりと、現代の住宅と比べると家事効率が低い間取りになっていることがあります。 そのほか、浴室と脱衣所に10cm以上の段差があったり、膝に負担を掛ける和式トイレが残っていたりと、バリアフリー性が低い住宅も残っているかもしれません。

法改正前に建てられていることがある

築年数が長い建物は、建築基準法の改正前に建てられ、リフォームされないまま残っていることがあります。 そのほか、建築後に法改正が行われ、現在の建築基準にそぐわなくなってしまった建物も多いため、リフォームや建て替えを行うときは、建物の特徴を慎重に見極めなければなりません。

耐震基準の改正

「耐震基準」の改正前に建てられた住宅かどうかは、リフォームや建て替えの内容に大きく影響します。 近年、耐震基準の改正が行われたのは、1981年の6月1日です。 つまり、1981年の5月以前に建てられ、かつ、一度も耐震改修工事が行われていない家は、古い耐震基準のまま残っていることになります。 新しい耐震基準では「震度5以上の大型地震でも家が倒壊しないこと」が求められており、建物の揺れ方や地盤の強度などが、より厳しい基準に基づいて建てられています。 なお、古い耐震基準で建てられた家だからと言って、すぐにでも倒壊するわけではありません。 しかし、筋交いがなく、家を柱と梁のみで支えていたり、接続金具の取り付け方が粗く、部材を傷めていたりすることがあるため、新築の家と比較すると、地震に弱い造りと言えるでしょう。 リフォームの場合、耐震改修工事が追加されると、建て替えとほぼ同程度の高額な費用が必要となってしまいます。 耐震性を高めるフルリフォームについて詳しくはこちら

再建築不可物件に注意

法改正によって、建て替えそのものが行えなくなった住宅もあります。 家は、建築基準法の定めにより、一定の条件を満たす土地にしか建てることができません。 しかし、中には法改正前に建築され、現在の法律では建物を建てることができない土地に、そのまま残っている家もあります。このような家を「再建築不可物件」と呼びます。 再建築不可物件が建っている土地は、現在の法律では建物を建てることができません。従って、再建築不可物件は建て替えを行うことができず、いかなる事情があっても、リフォームを選択することになります。 なお、増築や階数の追加、建物の用途変更など、建築確認申請を伴う場合は、リフォームも行うことができません。 築50年の住宅は、この再建築不可物件に該当する恐れが高くなるため、注意が必要です。 無料で築50年の住宅を建て替える費用の「比較見積もり」をしてみる>>
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リフォームの有無で変わる費用

過去のリフォーム履歴も、リフォームと建て替えのどちらを選ぶべきかを判断する材料となります。 リフォームが定期的に行われてきた築50年の住宅と、ほとんどリフォームが行われておらず、人が住んでいなかった築50年の住宅は、リフォームと建て替えのメリット・デメリットが全く異なります。
築50年の住宅のリフォームと建て替えを比較!

築50年目までに発生するリフォーム

通常、築50年も経っていれば、ほとんどの家で、ある程度のリフォームが過去に行われていると考えられます。 例えば、家の中で真っ先に点検が発生する箇所は、外壁や屋根など、屋外の設備です。雨や風、太陽光に常に晒される屋外設備は、最も早く劣化する部分と言えるでしょう。 そのため、外壁や屋根は、約5~15年に一度は、表面の洗浄や再塗装、雨漏りの有無や、接続部材の点検などが必要です。 屋根リフォームの補助金制度についてはこちら 続いて点検が発生するのが、キッチンやお風呂などの水回り設備や、給湯器やトイレなどです。毎日使用するこれらの設備は、約20~25年に一度は修理や交換が発生します。 また、耐震改修工事や断熱改修工事といった、家そのものの性能を強化する工事も、必要に応じて行われていることもあるでしょう。 そのほか、フローリングの張替えや内装のクロスの張替え、窓や玄関ドアの交換など、築50年の住宅では、広範囲で何らかの点検や交換が発生しています。

手入れがおろそかにされた住宅は要注意

通常の家では、築50年のあいだに上記のようなリフォームが行われています。しかし、中には長いあいだ全く人が使っておらず、点検や修理がほとんど行われなかった住宅もあります。 人に使われず、手入れを怠った家は、例え築年数が浅くても、老朽化が著しく進んでしまいます。 そのため、定期的に手入れされた住宅は、リフォーム費用が比較的少なく済み、手入れがおろそかにされた住宅は、リフォーム費用が高額になるだけでなく、建て替えを余儀なくされてしまいます。

住宅リフォームの減税や補助

住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。 補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。

築年数ごとのフルリフォームと建て替えの検討

他の築年数におけるフルリフォーム/建て替えの考え方を知りたい方は、こちらページでも詳しく解説しています!
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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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