2023年10月24日更新

監修記事

屋根をガルバリウム鋼板にリフォームする価格や費用の相場は?

ガルバリウム鋼板屋根は軽さやメンテナンス費用などの点で瓦に対するメリットがあります。ガルバリウム鋼板は金属のため、断熱性や防音性を高める工事が必要になることがあります。このリフォーム工事の費用相場やカバー工法での費用相場を取り上げます。

屋根材としておすすめのガリバリウム鋼板

屋根のリフォームをする際に屋根材としてガルバリウム鋼板を用いる方法があります。

特に現在スレート屋根の住宅をリフォームする場合にはおすすめの材料です。

リフォームの工法や費用は現在の屋根の材料によって変わってきます。

ガルバリウム鋼板を用いる屋根リフォームの費用相場はどの程度なのでしょうか。

屋根材の種類ごとに、費用相場をご紹介します。

ガルバリウム鋼板の特徴とは?

ガルバリウム鋼板はガルバリウムという合金でメッキされた鉄のことで、約40年前に登場したサビにくい屋根材です。

金属であることから、元々耐久性に優れた屋根材でしたが、昨今では製品の改良が進み、断熱性・遮音性に優れたタイプの商品も販売されています。

そのため、屋根材としては機能性の高い屋根材と言えるでしょう。

気をつけなければならない点として、耐久性の高い屋根材ですが、定期的なメンテナンスが必要なことが挙げられます。

この内容については次項で掘り下げて説明していきます。

メンテナンスフリーではない

前述で少し触れましたが、残念ながらガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーの屋根材ではありません。

ガルバリウム鋼板はメンテナンスを怠ってしまうと、サビが発生したり、塗膜が劣化し、景観や機能性を損なってしまいます。

そのため、長い耐用年数を実現させるためには定期的なメンテナンスが必要なのです。

メンテナンスの方法としては、塗装やシーリング補修、部分張り替えなどさまざまな方法がありますが、傷みの症状や範囲に合わせて適切なメンテナンスをしていくことが大切です。

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屋根をガルバリウム鋼板にする費用相場

ここでは屋根をガルバリウム鋼板にする場合にかかる費用の相場を紹介していきます。

基本的なガルバリウム鋼板の費用や、現在の屋根材ごとにかかる費用についても解説していきますので、費用相場を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

施工費用の相場

ガルバリウム鋼板の屋根材はデザインや使用する種類によっても変わりますが、平米あたり約5,000円〜約10,000円が費用相場とされています。

これを踏まえて、平均的な住宅の大きさである30坪程度の住宅の場合にかかる施工費用は約70万円〜約150万円となります。

屋根工事は葺き替え工事とカバー工法の2種類の工法があり、費用相場は、葺き替え工事が約100万円〜約150万円、カバー工法の場合には約70万円〜約120万円となっています。

施工内容によっても費用が変わることを認識しておきましょう。

また現在の屋根の状態によっては下地の補修など付帯工事が必要になる可能性があり、費用が変動することも重ねて覚えておくと良いでしょう。

瓦→ガルバリウム

瓦屋根からガルバリウム屋根に交換する場合の費用相場は約150万円〜約200万円程度が一般的とされています。

瓦屋根からガルバリウム屋根にする場合、葺き替え工事を行う必要があります。

そのため既存屋根の撤去処分や、下地補修、防水工事などさまざまな工事が絡むため、費用が高めになっています。

スレート→ガルバリウム

現在スレート屋根の場合には葺き替え工事だけではなく、カバー工法を使用してガルバリウム屋根に変更することができます。

工事費用の相場は約100万円〜約200万円が一般的となっており、瓦屋根の場合には選択できないカバー工法を使用できることから、費用の幅が大きくなっています。

カバー工法を使用する場合には下地の補修が難しいため、傷みがひどい場合には葺き替え工事を行った方が良いです。

また費用においては屋根の形状や状態によって増減するため、注意が必要です。

トタン→ガルバリウム

トタン屋根からガルバリウム屋根に変える場合の費用相場は約80万円〜約150万円が一般的となっています。

トタン屋根はスレート屋根と異なり再利用される場合もあるため、屋根材の撤去処分費用が安くなります。

またスレート屋根同様にカバー工法を使用することができるため、費用を抑えて屋根工事が可能です。

ただし、トタン屋根に対してカバー工法を使用する場合には野地板などの下地材に損傷があり新設しなければならない可能性があるため、カバー工法が使用できないケースもあります。

ガルバリウム鋼板屋根のメリット

ここではガルバリウム鋼板屋根のメリットを具体的に5つ紹介します。

サビに強い

ガルバリウム鋼板は他の金属と比較して、サビにくい素材となっています。

屋根の場合、サビが発生すると雨や露などの影響を受けて大きく広がることから、景観を損なってしまいます。

そのため、サビにくいというのは屋根材において大きなメリットといえます。

耐用年数が長い

ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスこそ必要ですが、耐用年数が長い屋根材です。

耐用年数としては約25年〜約35年と言われていますが、しっかりメンテナンスをすることで40年以上に渡って使用できる屋根材となっています。

軽量で耐震性が高い

耐震性において最も大切なのが重量です。

特に屋根材は躯体の上部に設置されるため、屋根の重量は躯体の耐震性に大きく影響します。

一般的にガルバリウム鋼板の屋根は日本瓦と比べると約1/6の軽さになると言われています。これは大きな利点です。屋根が軽くなると住宅の重心が下になり、地震に強くなると言われています。

また地震の際には瓦が落下してくる危険があります。ガルバリウム鋼板の屋根の場合は揺れによって落下することは通常はありませんので、この点でもメリットがあります。

加工しやすい

前述した通りガルバリウム鋼板は非常に薄くて軽量な屋根材であり、柔らかい材質です。

そのため折り曲げなどの加工がしやすく、さまざまな形状を作り出すことができます。

リフォームに適している

次にあげる利点としてはガルバリウム鋼板はリフォームに適しているということです。

現在屋根がスレートの場合は既存の屋根を撤去することなく、ガルバリウム鋼板を重ね張りをすることができます。このような工法をカバー工法と言います。

カバー工法でリフォームした際には撤去処分の工事が必要ありませんので、その分リフォーム費用を削ることができます。

この工法では、雨漏りなどにより下地が傷んでいることがなければ不用意に下地をいじらなくて良いので、住宅に対する負担が少ないという点もメリットとしてあげることができます。

現在瓦屋根の場合は葺き替えになります。まず既存の瓦を撤去し、その後下地としてコンパネを敷き、防水のためのルーフィングシートを敷き込んだ上で、ガルバルウム鋼板の屋根材を設置していきます。

大屋根と小屋根がある住宅の場合、大屋根だけあるいは小屋根だけガルバリウム鋼板に葺き替えるという工事も可能です。

また板金加工により曲面や山谷が入組んだ複雑な屋根形状にも対応できます。

このように工事の自由度が高いためリフォームに適しているというメリットがあります。

断熱性、遮音性が高い(断熱一体型の場合)

従来のガルバリウム鋼板は耐熱性は高いものの断熱性や遮音性が低いものがほとんどでした。

しかし前述でも少し触れた通り、現在では断熱材が一体となっている商品が販売されています。

このような商品を活用することで、瓦やスレート板を使用するよりも高い断熱性、遮音性を得られるようになりました。

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ガルバリウム鋼板屋根のデメリット

続いてはガルバリウム鋼板屋根のデメリットをみていきましょう。

ここでは具体的に3点のデメリットを紹介します。

コストが割高(スレートなどに比べて)

ガルバリウム鋼板は住宅に使用されるケースの多いスレート板などと比較すると材料費に約1,000円〜約2,000円の差があり高価です。

ガルバリウム鋼板を導入した際の具体的な費用については後ほど詳しく解説するため割愛しますが、屋根にかかるコストが割高になってしまうのは、費用を抑えたい方にとってデメリットといえるでしょう。

メーカー保証が付かない場合がある

ガルバリウム鋼板屋根は基本的にメーカー保証がついていますが、条件次第では保証の対象とならない場合があります。

実際の例としては現場で切断などの加工をしてしまうと切断面に加工が施されていない状態になることから、保証の対象にならなくなります。

基本的に施工してくれる業者は保証の条件を熟知していると思いますが、知識として覚えておくと良いでしょう。

重厚感がある雰囲気は出ない

加工のしやすいガルバリウム鋼板はデザイン性が高く、さまざまなデザインを作り出すことができますが、ガルバリウム鋼板の見た目そのものに対して安っぽい印象を受ける方も多く、意見が分かれやすいです。

実際にガルバリウム鋼板では重厚感ある雰囲気を出すことが難しいため、このような外観にしたい方は他の屋根材を使用した方が希望を叶えやすいと言えるでしょう。

断熱性能の低さ

断熱材一体型の材料を用いることで不利点をカバーできます。

さらに仕上げの塗料に遮熱性能のあるものを使用している製品もあります。これらの製品はリフォームにおすすめの材料です。

遮音性能の低さ

次にあげるデメリットは遮音性能の低さです。

断熱の項目で考えたように、ガルバリウム鋼板は薄い金属のため雨音などの音も響いて聞こえてきます。

この不利点はやはり断熱材一体型の材料を使用することでカバーできます。断熱材部分が遮音性能も同時に発揮してくれます。

また、ガルバリウム鋼板の表面に小石の粒をコーティングしてある材料も存在します。このような材料を用いますと、不利点である遮音性能を上げることができます。

ガルバリウム鋼板の断熱性や防音性の改善方法

ガルバリウム鋼板屋根は簡単に言うと薄い金属の屋根となります。

そのため基本的には断熱性能は低いものです。また家の中で雨音が気になることもあります。

これらの特徴からガルバリウム鋼板を用いて屋根リフォーム工事をする際には、断熱材一体型のガルバリウム鋼板を用いることをおすすめします。

断熱材一体型の材料は0.3mm〜0.4mmの金属に断熱材をサンドイッチしている材料です。

この材料を用いると断熱効果と遮音効果を同時に得ることができます。

カバー工法でのリフォームでは屋根に新たに断熱材などを入れる工事をしませんので、断熱材一体型の材料を用いると良いでしょう。

リフォームにおすすめの材料です。

断熱や防音の工事を同時にする場合の費用の目安

断熱材一体型ではないガルバリウム鋼板瓦を用いる際には、屋根下地に断熱材を設置する工事をお勧めします。

断熱ボードを敷設する工事ですが、価格は概ね一坪あたり約3,000円〜約5,000円程度でしょう。

なお、屋根下地に敷設する方法の他に屋根裏に断熱材を敷きこむこともできます。

この場合の価格相場は一坪あたり約6,000円〜約10,000円程度です。

どちらの場合でも、費用の差は断熱材の性能の違いによって生じてきます。

断熱の工事をしますと、同時に防音効果も得ることができます。

天井裏に断熱材を設置した場合よりも屋根下地に断熱ボードを設置した場合の方が高い防音効果を得ることができます。

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ガルバリウム鋼板の種類

ガルバリウム鋼板には横葺き、縦葺き、石付き、断熱材一体型など幾つかの種類があります。それぞれに特徴がありますので、住宅のデザインやニーズに合わせて選ぶことができます。

またガルバリウム鋼板は金属のため、基本的に断熱性能はほとんどありません。この対策として断熱材をガルバリウム鋼板でサンドイッチした屋根材があります。

この屋根材を使うと断熱性能を得ることができ、おすすめの屋根材です。このようにデザインや性能で選んでいくことができます。では一つづつ見ていきましょう。

縦葺きのガルバリウム鋼板屋根

屋根の棟から垂直にガルバリウム鋼板を並べる工法を縦葺きと言います。

縦葺きのガルバリウム鋼板屋根のイメージ

住宅を外から見た時に、屋根全体に対して縦方向にガルバリウム鋼板が並べられていきます。一見するとトタン屋根に見えてしまいますが、素材はガルバリウム鋼板なので全然違うものです。

この工法では雨が落ちていきやすいため、傾斜の緩い屋根に適しています。部材の無駄も少ないため、施工費用が安いという特徴もあります。

しかしながら、複雑な形状の屋根には適していません。切妻屋根のリフォームにおすすめの工法と言えます。また最近見かけるドーム型の屋根を持つような住宅の屋根にガルバリウム鋼板を用いる際にもこの工法で工事します。

注意点としては、今のところ縦葺きガルバリウムには断熱材一体型の材料がありません。そのため、屋根下地に断熱シートを敷設したり天井裏に断熱材を配置する工事が合わせて必要となります。

この点については建材メーカーが新たに商品を開発することがあるので、見積もりの際にリフォーム業者の担当者へ確認してください。

横葺きのガルバリウム鋼板屋根

屋根の棟と平行にガルバリウム鋼板を並べる工法を横葺きと言います。

ガルバリウム鋼板の屋根のイメージ

住宅を外から見た時に、屋根全体に対して横方向にガルバリウム鋼板が並べられていきます。多くの住宅がこの工法を採用しており、ガルバリウム鋼板を用いた屋根の施工方法で最もポピュラーな工法と言えます。

カバー工法での施工にも、葺き替えでの施工にも横葺きで対応することが多くあります。

注意点としては、棟部分は屋根の継ぎ目となりますので雨漏りの発生のリスクが上がります。もちろん丁寧に施工されていれば問題はありません。

職人の技術と適正な部材が必要とされる部分ですので、棟部分に適正な部材を用いているか見積もりで確認しましょう。専門用語などでわからないことがあればリフォーム業者の担当者へ確認するようにしてください。

横葺きでは断熱材一体型の屋根材が多くあります。この材料を用いますと、断熱効果と遮音効果を期待することができます。横葺きのガルバリウム鋼板屋根へのリフォームをお考えの方にはおすすめの材料と言えます。

ジンカリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板と組成がほとんど同じ材料にジンカリウム鋼板と呼ばれる材料があります。このジンカリウム鋼板を基材として、そこに小粒の石をコーティングさせた材料をジンカリウム鋼板屋根と呼びます。

屋根修理のイメージ

本来はガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板は同じ組成の製品でメーカー違いで商品名が異なるだけなのですが日本では一般的にジンカリウム鋼板屋根といえば、石付きのガルバリウム鋼板屋根の総称として仕分けされています。

この屋根材は断熱性、遮音性、耐久性の面でガルバリウム鋼板よりも優れた材料です。

ジンカリウム鋼板の耐用年数は約50年とも言われ、メーカーによっては30年保証をつけているメーカーもあるほどです。

小粒の天然石でコーティングしてありますので、カラーリングも様々な種類のものがあります。洋風の住宅にも和風の住宅に違和感なく施工することができます。またカバー工法にも葺き替え工事にも使用することができます。

ガルバリウム鋼板の金属的な雰囲気はあまり好きではないとお考えの方にはおすすめの材料です。写真ではイメージがわかない場合は、実物の見本を見せてもらうようにリフォーム業者の担当者に依頼することもおすすめします。

組成がガルバリウム鋼板と同じなので、葺き替えの際には屋根の重量を軽くすることにも貢献します

ガルバリウム鋼板屋根は急勾配でも大丈夫?

ガルバリウム鋼板屋根は素材の特徴から屋根勾配の対応幅にも特徴があります。

まず素材の特徴として水はけが良い点があります。

屋根の葺き方によっても幅広い勾配に対応できますので、簡単に紹介していきます。

まずガルバリウム鋼板屋根は一般的に緩い勾配から急勾配まで対応することが可能な屋根材です。

しかし、屋根の葺き方により変わってきますので、屋根の葺き方と屋根勾配について説明していきます。

屋根の葺き方には大きく2種類あります。

「縦葺き」「横葺き」です。

縦葺きにも種類があり代表的なものとして、瓦棒葺きと立平葺きがあります。

これらの屋根の葺き方により対応できる屋根勾配も変わってきます。

どこまで緩やかな勾配に対応しているかを紹介していきます。

  • 縦葺き:0.5寸(5/100)勾配以上
  • 横葺き:3.0寸(30/100)勾配以上

このようにガルバリウム鋼板屋根では縦葺きは勾配が緩やかでも工事が可能となります。

また、ガルバリウム鋼板屋根は急勾配の屋根にも対応可能です。

ただし、緩やかな屋根に比べると施工面積が増えることもありますので、施工業者ときちんと打ち合わせを行うようにしましょう。

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ガルバリウム鋼板屋根が使えない場所とは?

ガルバリウム鋼板屋根は、その素材の特徴から不向きな場所や条件がいくつかあります。

場所だけではなくその他条件により多少異なりますが、ガルバリウム鋼板屋根を検討する際の参考のため紹介していきます。

まず、錆びに強いガルバリウム鋼板ですが、特に注意が必要なのが「塩害」です。

塩害地域ではその他の地域に比べ、耐用年数が短くなる傾向にあります。

ですので、海岸沿いや潮風がかかる地域では注意する必要があります。

一部製品によっては、海岸線から5km以内のエリアでのガルバリウム鋼板の使用について保証が付かない場合もあります。

屋根など外装材としての保証は将来的にとても大切なものですので、施工をする際には確認することをお勧めします。

また、ガルバリウム鋼板の錆びの原因になるものに、排気ガスや鉄粉などがあります。

ですので、例えば交通量の多い幹線道路沿いや高速道路付近、工業地帯などでガルバリウム鋼板屋根にすると、劣化が進みやすいリスクがあります。

これらの地域でも定期点検や水洗い、傷の補修、塗装メンテナンスなどを定期的に行うことで、耐久性を少しでも長く維持することが出来ますので、検討する際は業者と綿密に打ち合わせを行いましょう。

ガルバリウム鋼板屋根にメンテナンスは必要?

ガルバリウム鋼板の屋根は基本的にあまり手がかかりません。

しかしながら全くメンテナンスをしないと耐久性が落ちます。

ガルバリウム鋼板屋根の最大の敵は錆びです。

錆びが生じてきたら確実に錆びを落として塗装をしないと錆びが広がっていきます。

沿岸地域や酸性雨の酸性度合いが高い地域では、切り口や接合部、キズなどから錆びが出てきやすいので数年に一度屋根面のチェックをするとよいでしょう。

このメンテナンスをすることで錆びの発生を遅らせ耐久性を保たせることができます。

可能であれば高圧洗浄機を使って作業することをお勧めします。

高所での作業が危険である場合にはリフォーム業者に相談してください。

概ね約30,000円〜約40,000円程度で施工してもらえるでしょう。

ガルバリウム鋼板の塗装メンテナンスの費用

ガルバリウム鋼板の耐用年数は約30~40年と言われています。しかし、ガルバリウム鋼板本体の耐用年数と、表面に施される塗料の耐久性はまた別です。

塗料により耐久性は違いますが、一般的に塗料の耐用年数は約10~約20年と言われているため、できれば15年に一度は塗装リフォームすることをおすすめします。

ガルバリウム鋼板に塗る塗料として人気なのが「シリコン塗料」で、1平方メートルあたり約1,600~2,500円が相場です。

より性能の高い「フッ素塗料」であれば、1平方メートルあたり約3,000~4,500円が相場でしょう。

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ガルバリウム鋼板屋根で塗装が必要な症状とは?

ガルバリウム鋼板で再塗装が必要になる症状としては、以下のようなものが挙げられます。

チョーキング

チョーキングとは、屋根や外壁などを指で触った時に白い粉がつく現象のことを言います。

この白い粉は雨や紫外線などにより塗膜が劣化し、塗料の中の顔料が粉状になって塗装面に現れたものです。

チョーキングは「塗膜が劣化しているため塗り替えをした方がいい」というサインです。

大きな劣化につながる前に、チョーキングを発見した時点でなるべく早く対処することをおすすめします。

塗装のヒビや剥がれ

ヒビ割れや剥がれは屋根材に大きなダメージを与える危険性があります。

塗膜にヒビが入っている、塗装が剥がれてしまっているなどの症状を発見した際には早急に対処するようにしましょう。

サビ

ガルバリウム鋼板はサビにくいとされていますが、それでも年月が経つにつれて塗膜が劣化し水を弾く力が低下することでサビてしまう場合もあります。

サビにはいくつか種類がありますが、ガルバリウム鋼板では白カビと赤カビが発生します。

白サビはガルバリウム鋼板のメッキ層に含まれている亜鉛が酸化したことで現れます。

湿気が発生しやすい場所でよく見られ、白い斑点のようになって現れるのが特徴です。

重大な劣化にはつながりませんが、見栄えが悪くなってしまうためメンテナンスを行うことをおすすめします。

赤サビはガルバリウム鋼板の傷やへこみなどから発生します。

赤カビは放置するとだんだんと拡大していき、表面がボロボロになり穴が空いてしまう危険性もあります。

白カビとは異なり、赤カビは重大な被害につながる危険性があるため、発見した際にはなるべく早く対処するようにしましょう。

ガルバリウム鋼板屋根の塗装にかかる工程

ケレン作業

ケレン作業とは塗装をする前の下地処理のことを言います。

塗装する面に付いているサビや汚れなどを削ぎ落とすことで、塗料が入りやすくなり塗料がもっている効果を発揮しやすくなるのです。

また汚れなどを落とすことにより塗装面が整うため、塗装後の仕上がりも綺麗になります。

ガルバリウム鋼板は耐用年数が長いですが、その分塗料をはじきやすい傾向にあります。

ガルバリウム鋼板のような金属は表面がツルツルしているため、塗料のノリが悪いのです。

そのため、事前にケレン作業で表面をザラザラにするという工程がとても大切です。

下塗り

塗装では下塗り、中塗り、上塗りと合計3回塗るのが基本です。

下塗りは塗装後には見えませんが、塗装の仕上がりに大きく影響してきます。

下塗りを行うことで、塗装面と塗料の密着性を向上させる効果があります。

下地の種類によっては、経年劣化している塗装面の吸い込みを止めたり、塗装面のでこぼこを滑らかにする働きなどをする下塗り材もあります。

中塗り

下地が整うと次は中塗り作業に入ります。

中塗り作業に入る際には下塗りがしっかりと乾いてから行うようにしましょう。

基本的には中塗りは上塗りと同じ塗料で行います。

中塗りに使う量の塗料が決められているため、塗料の効果を最大限に発揮するためにも、規定の量を守ることが大切です。

上塗り

塗装の見た目の美しさを決めるのに大切になってくるのが上塗りです。

下地づくりや中塗りなどの土台づくりも大切ですが、見た目という点では上塗りがその出来を左右します。

中塗りから上塗りに移るまでの乾燥時間や、上塗りに使う塗料の量などをきちんと守るようにしましょう。

規定の量を守らないと、塗装の剥がれなどにつながります。

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ガルバリウム鋼板屋根の色の選び方

ガルバリウム鋼板には、グレーやブラウンなどのよく使用される色の他に、ブルーや若葉色、白色などさまざまな色の屋根材がラインナップされています。

色の種類が多いため、色の選び方について迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

色選びをする際には以下の3つのポイントを踏まえて色を選ぶことで、満足度の高い屋根にすることができますので、参考にしてみてください。

色によって家のイメージが変わる

屋根は外壁よりも見える範囲が狭いため、意外に感じる方も多いと思いますが、屋根の色も家のイメージに大きく影響を及ぼします。

色の系統が外壁と同じ色調のものを選ぶことで、家全体で統一感のある落ち着いた印象を与えやすく、また配色次第ではありますが、色調が異なるものを選ぶことで、おしゃれな印象を与えてくれます。

自分が求めるイメージがどちらなのかをまずは定めるようにしましょう。

色によっては色褪せ、汚れが目立つ場合がある

ブルーやレッドなどのいわゆる原色と呼ばれる色の屋根は非常に鮮やかな印象を与えてくれることから、採用を検討される方も多いです。

しかし色味が強い色は年数が経つにつれて色褪せを起こす可能性があるため、定期的に塗装するなどのメンテナンスが必要になります。

また白やベージュなどの淡い色の場合には黒ずみなどの汚れが目立ちやすくなるため、景観を保つためには定期的に掃除する必要があります。

つやあり、つや消しでも印象が変わる

つやありの場合には光沢が目立ち、新しい屋根という印象を強く残してくれますが、経年劣化でつや感が消えてしまう可能性があります。

またつや消しの場合にはマットな仕上がりになるため、地味な印象が強くなりますが、経年劣化による変化が少ないです。

屋根を目立たせたいか、長期的に同じ景観を楽しみたいかで選択すると良いかもしれません。

熱を蓄えないように反射率の高い色を選ぶ

日射反射率が高い色の方が屋根の温度は上がりにくくなります。

日射反射率とは、日光が当たった際にどの程度反射し、どの程度吸収されるかを表す数字で、高ければ高いほど反射して屋根材に熱が吸収されなくなるということです。

日射反射率が高い色といえば白ですので、日光の影響を抑えたいなら白系の塗装を選ぶと良いでしょう。

ただ、白系の塗装はどうしても汚れが目立ちやすいので、白系の中でも汚れが目立ちにくいシルバーやライトブラウンなどがおすすめです。

色と日射反射率の関係については各塗料業者がデータを公表していますので、塗装の際やガルバリウム鋼板選びの際に参考にすると良いでしょう。

ガルバリウム鋼板屋根がおすすめの場合

ここまでガルバリウム鋼板屋根の特徴や費用について紹介してきましたが、どのような方におすすめの屋根材なのでしょうか。

ここでは具体的に3つのポイントからおすすめできる場合について解説していきます。

コスパ重視な人におすすめ

ガルバリウム鋼板は屋根材の価格こそ、安くはないですが、耐用年数が長く、機能性も高いためコストパフォーマンスに優れています。

費用よりもコストパフォーマンスを重視する場合にはおすすめの屋根材といえるでしょう。

屋根の見た目をシンプルにしたい人におすすめ

ガルバリウム鋼板は素材が薄いことや金属を加工していることから、重厚感のあるデザインや、派手な柄の屋根材になりにくいです。

そのためデザイン性としてはシンプルなデザインの屋根材が多く、派手なデザインの屋根材を求める方にはおすすめできませんが、屋根の見た目をシンプルにしたい方にとってはおすすめの屋根材です。

耐震性や耐風性を重視したい人におすすめ

ガルバリウム鋼板は軽量な屋根材であることから、耐震性が非常に高いです。

またガルバリウム屋根はその構造上、金属板を噛み合わせながら施工していくため、強風などの影響で屋根材がめくり上がる危険性が少なく、耐震性や耐風性を求める方にもおすすめの屋根材となっています。

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ガルバリウム鋼板屋根の工事業者選びについて

ガルバリウム鋼板屋根の工事業者選びについて、失敗しないためにも抑えておくべき大切なポイントを紹介していきます。

まずは、十分な施工実績のある工事業者を選ぶようにしましょう。

特に地元で施工実績があるとベストです。

また業者を決める際には、実際に施工した建物をいくつか案内してもらうことも重要なポイントです。

工事業者を選ぶポイントとして見積書の内容も確認するようにしましょう。

業者によっては「工事一式」という見積書を提出する業者がいます。

しかし、これはとても危険で、施工中や施工後にトラブルになるリスクがあります。

見積書の内容は詳細まで工事内容が記載され、それぞれに金額や数量、単価が記載されている見積書を提出してくれる業者を選択するようにしましょう。

ハピすむでは、無料見積もりから施工対応可能な業者選びまでサポートしていますので、お悩みの際はお気軽にご相談下さい。

ガルバリウム鋼板はDIYで設置できる?

最近では住宅におけるさまざまなDIYが流行っています。では、屋根をガルバリウム鋼板に変更する工事をDIYで行なうことはできるのでしょうか。DIYする際の注意点などを見ていきましょう。

屋根をガルバリウム鋼板にDIYすることは不可能ではありませんが、さまざまな壁があります。

屋根工事の際には、素材や施工に関する専門的な知識や技術、専門工具などが必須になります。また、高所での作業になりますので安全確保についての知識や装備も必要です。

屋根の工事に不備があると、雨漏りで生活に不便が生じたり、建物の腐朽につながり住居の寿命が短くなるリスクもあります。

そのため、DIYで施工する場合には、安全が確保でき、かつ、正しい知識と技術がある場合にだけ可能と考えておくべきでしょう。

DIYで見た目は綺麗に工事が完成しても、雨漏りしたり不具合が発生したりすると、余計に時間と費用が必要になります。屋根をガルバリウム鋼板にリフォームする場合は、DIYではなく専門の業者に依頼することをおすすめします。

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後悔しないリフォームを

屋根のリフォームは何度もできるようなリフォームではありません。

そのため後悔しない材料でリフォームをしましょう。

施工の良し悪しが雨漏りなどと直結しますので、安心できるリフォーム会社を選びましょう。

自分が住んでいる地域で屋根リフォームが得意なリフォーム会社を知りたい場合は、リフォーム会社紹介サービスを使うと良いでしょう。

リフォームをすることはそこまで多くはありません。

失敗しない後悔しないためにも、専門家にアドバイスをもらうことをおすすめします。

リフォーム会社紹介サービスの「ハピすむ」は、お住まいの地域やリフォームのニーズを詳しく聞いた上で、適切で優良なリフォーム会社を紹介してくれます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩本祐子

atelier comado

岩本 祐子

大学卒業後、建築設計事務所にて主に住宅、公共建築、店舗、マンションの設計に10年以上関わる。
住宅においては、基本設計から監理業務まで一連のフローに携わる。
その後大手インテリア関連企業にて7年間インテリアとリノベーションをメインに業務の幅を広げる。
現在代表をしているatelier comadoでは、インテリアコーディネート、リノベーション、住宅設計をメインに活躍中。

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