2024年01月24日更新
外壁ひび割れからの雨漏りを防ぐ方法とは?
長雨が続いたり台風が来たりなどで、老朽化している建物では特に雨漏りが心配になりますね。雨漏りが起こると、屋根の傷んだ部分から雨が入り天井や壁などにシミができることを想定します。しかし意外と建物の外壁のひび割れから雨漏りをすることが多いのです。では外壁のひび割れからの雨漏りの原因や対処法についてご説明しますね。
目次
- 1 外壁のひび割れの種類と原因とは?
- 2 外壁のひび割れの種類について
- 3 補修が必要なひび割れについて
- 4 外壁のひび割れを放置することのリスクとは?
- 5 外壁がひび割れしやすい場所と雨漏りの因果関係って
- 6 外壁のひび割れが雨漏りに繋がるかどうかを判断するヒントとは
- 7 外壁のひび割れから雨漏りしないための対処法とは
- 8 外壁のひび割れ補修に必要な外壁補修材とは?
- 9 外壁の補修にかかる費用相場
- 10 外壁のひび割れに保証はあるのか
- 11 雨漏りの原因にはどのようなものがある?
- 12 外壁からの雨漏りをチェックする方法
- 13 外壁から雨漏りしている場合の補修方法
- 14 雨漏りの補修リフォームにかかる費用は?
- 15 外壁からの雨漏りの修理費用を抑えるコツ
- 16 DIYで雨漏りの修繕を行うことはできる?
- 17 外装から雨漏りした時にできる応急処置とは
- 18 外壁が雨漏りする原因は?
- 19 外壁塗装やリフォームの相場はどれぐらいかかる?
- 20 外壁のメンテナンスにかかる費用は?
- 21 外壁塗装の施工中に気をつけること
外壁のひび割れの種類と原因とは?
外壁のひび割れからの雨漏りというのは、なかなか場所の特定などが一般人では難しいので気づいた時には、かなり雨漏りがひどくなっていることが多いようです。
では、その原因となっているのはどのようなことでしょうか。
外壁のひび割れから起こる雨漏りの原因には、老朽化による壁の劣化によるひび割れやクラックと呼ばれているものが挙げられます。
クラックとは、地震の振動や柱や梁などの木材自体が歪んだり変形したりすることによって起こるひび割れのことです。
外壁のひび割れの種類について
次に外壁のひび割れの種類について詳しくご紹介します。
ヘアクラック
ヘアクラックとは、0.3mm未満の幅のひび割れのことを言います。ヘアクラックは、外壁材ではなく外壁の塗膜に発生する事が多いクラックで、主に塗膜の劣化や施工不良が原因で発生するクラックです。
構造クラック
構造クラックとは、ひび割れの幅が広く長いクラックのことです。構造クラックは、建物の構造に欠陥が発生した場合や地盤沈下などで家が傾いている場合に発生するクラックです。
縁切りクラック
縁切りクラックとは、外壁の塗装の境目に発生するひび割れのことです。塗膜の境目に一直線に発生するため、外壁塗装時に部分的に塗装し直したり一部分を塗装したことが原因で発生するのが特徴です。
補修が必要なひび割れについて
外壁にクラックがあるからといってすぐに補修しなければならないわけではありません。一般的に0.3mm未満のクラックであれば初期段階とされているため、早急に補修しなくてもいいとされています。
しかし、0.3mm以上の場合には応急処置を検討しましょう。
また1mm以上のクラックの場合、放置することで雨水が浸透し外壁の内部を腐食させたり、外壁自体の劣化が進んでしまい、最悪の場合建物の構造部分まで劣化させてしまう恐れがあります。
そのようなことにならないためにも、1mm以上のクラックはできるだけ早めの補修が必要です。
もし、判断が難しい場合は、専門の業者に一度見てもらいどのタイミングで補修したらいいのかを聞いてみるといいでしょう。
(1)外壁の劣化による壁のひび
外壁には、モルタルやサイディング材、タイルなどを使用することが一般的ですが、建物が老朽化するとどうしても劣化が外壁にも及び、ひび割れをすることがあります。
そのため、防水効果も悪くなり雨漏りがどうしても起こってしまうのです。
(2)クラックからの雨漏り
地震等による力が加わり外壁にクラックができることがあります。
もし、クラックの亀裂部分の幅が2mmよりも広い場合は、外壁部分だけでなく内部にまでクラックが入っている可能性があります。
その外壁のクラック部分から雨水が入ると、内部の壁にまで雨漏りの影響を受けてしまうことも考えられます。
(3) 雨樋の詰まりによる外壁への負担
雨樋は定期的に掃除をしておかないといけません。
なぜなら、落ち葉やゴミなどが詰まって雨水がオーバーフローすることがあるからです。
オーバーフローが原因で雨どいの近くの壁に雨水が直接かかり、外壁に大きな負担をかけることになります。
その壁の部分にひびが入り、雨漏りを引き起こすのです。
外壁のひび割れを放置することのリスクとは?
「補修が必要なひび割れについて」の項目でもご紹介しましたが、外壁のひび割れを放置すると家の内部にまで雨水が浸透することがあります。
外壁のクラックから雨水が入り込むと外壁が黒ずんだり、外壁内部の腐食の原因となることがあります。また、内部の湿度が高くなることでシロアリが発生しやすくなり、蟻害が起こりやすくなるでしょう。
また、その他にも家全体の湿度が高くなることでカビが発生しやすくなり、健康被害を引き起こす原因となることもあります。
外壁がひび割れしやすい場所と雨漏りの因果関係って
(1) 換気扇ダクト
新築したばかりなのに換気扇ダクトから雨漏りすることがあります。
それは、建設時に防水紙などをしっかりと貼って壁を施工するのですが、その工事が十分でなく壁との隙間から雨水が入って雨漏りをしているからです。
(2) 太陽光パネルの取り付け部分
太陽電池モジュールというタイプの太陽光パネルを取り付ける場合には、外の壁に施工のための穴を開ける必要があります。
その部分の処理が十分でなく、穴を開けた部分から雨水が入り、その後にひび割れて雨漏りをすることがあります。
(3) 窓枠、窓回り
窓付近から雨漏りがする場合は、取り付けている部分の窓枠と壁の部分に隙間やひびができてそこから雨水が侵入していると考えられます。
できたひびや隙間の開口部にきちんと防水処理を行えば雨漏りは治まるでしょう。
しかし壁のひびによる雨漏りなのかどうかの判断は、そう簡単ではありませんので次に詳しく説明しますね。
外壁のひび割れが雨漏りに繋がるかどうかを判断するヒントとは
外壁となっているものにモルタルがありますが、モルタルの場合、特に経年による劣化や乾燥収縮が原因でひびが入ることが多いようです。
しかし、ひび割れたからといってそのどの部分からも雨漏りにつながるのではありません。
上述しましたが、そのひびの亀裂部分の幅が約2mm以上の場合には、モルタルの外壁部分だけでなく、内部にまでひびの影響を受け、雨漏りの原因となることがあるので注意しましょう。
またサイディングやタイルなどもそのつなぎ目の劣化や素材自体の劣化でひびができ雨漏りにつながることがあります。
例えば外壁材は、次のように種類によって劣化するスピードが異なります。
モルタル面の塗装は、約8年~10年で劣化が始まります。
またサイディングでは、窯業系のものは約7年~8年、木質系は約10年~、金属系は約10年~15年、樹脂系は約10年~15年です。
タイルは、40年ほどもちますが、これは、あくまでも目安ですので建物が建っている立地条件や製品の質によって異なります。
外壁の施工の仕方によって経年劣化はどうしても避けられません。
壁のひびの状態によって雨漏りを引き起こしますので、長雨や台風の後には壁のひびのある箇所から雨漏りがしていないかチェックすることをおすすめします。
外壁のひび割れから雨漏りしないための対処法とは
外壁は、どうしても雨風にさらされますので、ひびが入って雨漏りをすることもあるでしょう。
その場合の修繕方法は、コーキング材や防水用のモルタルでひびの部分を補修し、その後同じ色で塗装します。
また、補修部分の数や大きさによっては、外壁そのものを塗り替えるとった方法もも考える必要があるでしょう。
DIYでできるのは
壁にひび割れがあり、そこから雨水が入って雨漏りしていることがはっきりとしているのであれば、ご自分でできる簡単な作業として、防止テープやコーキング材などでひびの部分をふさぎましょう。
壁が濡れていると防止テープは、はがれやすいので雨天の時には作業は避けた方がいいですね。
コーキング材も壁が乾いてから作業をしてください。
ただし、雨漏りが原因ですでに壁のモルタルなどに白い粉がついていたりカビなどが発生していることがあります。
また、ひび割れた部分から雨水が浸み込むと劣化の進み具合も早くなります。
できれば早くプロの方に依頼し、壁のひびの補修や雨漏り自体を解消できるようにしましょう。
外壁のひび割れ補修に必要な外壁補修材とは?
外壁のひび割れ補修を行う場合に必要な外壁補修材には、防水テープ・パテ・コーキング剤などがあります。どの補修剤も外壁のひび割れに対してテープやパテなどを詰めることで、防水機能を高めます。
・防水テープ:ひび割れの上から貼ることで防水性を高めるテープ。
・パテ:チューブ状でひび割れに直接充填するタイプ。硬化しやすい。
・コーキング剤:ボンドのようにひび割れに直接充填するタイプ。伸縮性あり。
防水テープやパテ、コーキング剤などはホームセンターや通信販売などでさまざまな種類が販売されており、構造上問題のないヘアクラックなどの補修には適しています。
業者に依頼する場合は
モルタルの補修は
建物の壁がモルタルの上に塗装だけという状態の場合には、ひびの補修をした後に塗装をして補強します。
できるだけ耐候性の高い塗料を使用して、メンテナンス周期が長くなるようにしましょう。
特に外壁が白い粉状のもので覆われてくると塗膜は劣化しています。
プロの業者で壁の洗浄やひびの部分の補修後さらに素地ごしらえをしてもらい外壁を塗装し直しましょう。
シーリング施工の補修では
外壁がサイディングの場合、つなぎ目などの隙間材としてシーリングを使用しています。
この素材は、壁のサイディングよりも劣化がはやいです。
そのため、雨漏りにつながりやすいといえます。
壁のシーリングの部分にひびがあるのがわかったら、早めにプロに修理を依頼してください。
サイディングボードの貼りなおし
雨水がひびから入りサイディングボードの内部が傷んでしまっている場合は、サイディングボードそのものを張り替えることをおすすめします。
サイディングボードの内部の湿気で部屋の壁までも傷んでしまいますので、はやめに交換しましょう。
サイディングボードは、雨水や汚れにも強く、種類も豊富でデザイン的にも素敵なものが出ています。
金属サイディングでしっかりと
金属性のサイディングボ-ドというのは、壁の表面に金属板のメッキで塗装をしたものでその裏には、断熱効果のある素材を貼り合わせています。
外壁がひび割れることが少ないのがメリットのひとつです。
隙間ができにくいので壁のひびによる雨漏りの心配は少ないでしょう。
このサイディングボ-ドは、防水性だけでなく軽量で施工がしやすく、断熱性や遮音性にも優れています。
また、壁材としてもおすすめでひび割れからの雨漏りの対策に役立ちます。
雨漏りの応急処置は、ご自分で行っても効果がありますが、やはり本格的な補修工事はプロの業者に依頼してより適切な施工をしてもらったほうが良いでしょう。
外壁の補修にかかる費用相場
では、外壁のひび割れ補修にかかる費用の相場はどれくらいなのでしょうか。
一般的に外壁のひび割れを補修する費用に相場はありませんが、コーキング剤を塗布して補修を行う場合で、ひび割れ1カ所あたり約7,500円が目安です。2カ所目以降は約1,500円〜約1,900円と安くなることもあるでしょう。
また外壁の補修では、先程の補修費用の他に出張料として約3,000円程度がかかります。ある外壁補修の専門業者では、初回の費用が1カ所あたり約6,000円で出張費が無料などのサービスを行なうところもあります。
そのため、初めて外壁補修を依頼する場合はそのようなサービスがある業者を利用してみるのもいいでしょう。
ひび割れの溝が深い場合、コーキング剤を塗布したとしても再度ひび割れが発生する可能性があったり、外壁塗装が必要になるケースもあります。
ひび割れ補修の他に外壁塗装をするとなると上記の他に別料金が必要になるため、ひび割れの症状が酷い場合は、一度見積もりを依頼しどれくらいの金額になるのかを確認しておきましょう。
外壁のひび割れに保証はあるのか
外壁がひび割れてしまう原因には、業者の施工不良によるケースも少なくありません。
また一番厄介なのが、施工不良が原因のひび割れだったとしても塗装後すぐに現れるわけではなく、外壁塗装してから数年経過してから現れるため、保証期間外になってしまうことが多いということです。
塗装会社の多くは保証期間を3年程度に定めており、3年以上経過してしまうと施工不良だと見極めるのが難しくなるため、無償で対応してもらえないことがあります。
ただ、塗装業者の中には施工不良に対して無償で補修を行うところもあるため、ひび割れを見つけたら前回塗装してもらった業者や家を建てた工務店の保証が残っていないかなどの確認をしましょう。
雨漏りの原因にはどのようなものがある?
雨漏りの原因には、屋根の劣化、外壁のひび割れ、換気扇の隙間、バルコニーと外壁を繋ぐ部分のシーリング剤の劣化などが考えられるのですが、どの部分が雨漏りの原因となりやすいのでしょうか?
屋根部分は雨漏りが起きた際に最も注意が必要なポイントですが、もともと雨漏りの発生を考慮して作られている部分のため、住宅の雨漏り原因としてはあまり多くはありません。
雨漏りの原因としては、外壁のひび割れが最も多く、実際に雨漏りが発生した場合の被害もひび割れによるものが最も重大だと言われています。
また以外に多いのが屋根や外壁の方々にある山部・谷部に施されている「水切り板金」と言われる部材の不都合があります。
文字通り防水のための板金ですが、見た目に何ともなくても接着シールの切れなどからの漏水は素人目では決して発見できません。
外壁からの雨漏りは何故被害が大きくなるのか?
ベランダの隙間など、設備の設置部分から雨が侵入した場合、雨水が流れるのは躯体と設備の間となるため、躯体そのものに雨水が浸入してしまう可能性は比較的低いとされています。
ですが、外壁のひび割れから雨水が浸入した場合、躯体内部の構造材、鉄筋や木材などにも雨水が浸透してしまうため、壁の中で錆や腐食が起こり、建物そのものの強度を低下させてしまうのです。
そのため、修繕の際にはひび割れを塞ぐだけではなく、劣化してしまった構造材まで交換する必要があるため、修繕費用も工事期間も多くかかってしまいます。
外壁からの雨漏りをチェックする方法
天井や壁紙にシミができている場合、構造材や下地にも被害が出ている可能性が高いため、早い段階でリフォーム会社に調査を依頼し、修繕を行う必要があります。
ですが、住宅内部に影響が出る前に雨漏り等の発生を見つけることができれば、施工費用等を抑えられるかもしれません。
雨漏りの発生を予防する方法としては年に1回程度業者に調査を依頼する方法もありますが、本格的な調査を依頼すると1平方メートル辺り約300円必要です。
専門家は特殊なスコープを使って、屋根裏や壁中の柱・梁・壁の内面などの「水道(みずみち)水の流れた痕跡」を探し効率よく漏水箇所を特定します。
調査費用を抑えつつ外壁からの雨漏りを調べたい場合は、まず外壁にひび割れ等が無いかをチェックしてください。
外壁材にサイディングボードを用いている場合は、目地部分の劣化が無いか触って確認するのも良いでしょう。
目地部分には樹脂製のシーリング剤が用いられており、劣化している場合には弾力性が無くなっているため、触れるとすぐに確認することができます。
また、ベランダ等の接続部分の防水についても目地と同様にシーリング剤が用いられているため、こちらも定期的に目視や弾力性の確認を行っておきましょう。
外壁から雨漏りしている場合の補修方法
では、外壁から雨漏りしている場合はどのような対処をすればいいのでしょうか。雨漏り箇所や原因別に補修方法を詳しく見ていきましょう。
塗膜の劣化による雨漏り
外壁の塗膜が劣化している場合、防水機能がほとんどないために雨水が外壁材にしみ込み、壁内部を腐食させる恐れがあります。
塗膜が劣化して雨漏りしているということは、外壁全体の塗膜が劣化していることになるため、できるだけ早い補修が必要です。
外壁塗装を行うことで防水機能は復活しますが、雨漏りが発生しているとなると、外壁の内部まで水が浸透しており、木材に腐食が発生している可能性もあります。
また、外壁内部の損傷が激しい場合は、外壁の下地材などを交換する必要があるでしょう。
塗膜の劣化による雨漏りの場合は、雨漏りしている部分だけを補修しても再度雨漏りが発生する可能性が高いため、雨漏りを確認次第、できるだけ早めに外壁塗装リフォームを行うようにしましょう。
サッシ周りの雨漏り
サッシ周りにはシーリング材が充填してあります。しかしこのシーリング材が経年劣化で痩せて傷んだり、サッシを固定するビスや釘が緩んでしまうことがあります。この隙間から雨水が侵入して雨漏りを起こすケースがあるのです。
この場合はシーリング材を打ち増しするか、傷んだシーリング材を一度取り除き、新しいシーリング材を充填します。
また、サッシが歪んで雨漏りが発生している場合は、正常な位置に固定するかサッシ自体の交換を行います。
サイディングのシーリング材の劣化による雨漏り
サイディングの目地にもシーリング材が使用されています。このシーリング材は外壁材自体よりも劣化が早いため、経年劣化で痩せたりヒビが発生したりして雨漏りを引き起こす原因となります。
サイディングの目地のシーリング材が劣化した場合は、既存のシーリング材を取り除き、新たにシーリング材を充填します。
外壁のひび割れが原因の場合
外壁にひび割れが発生した場合も、ひび割れの隙間から雨水が侵入し雨漏りを引き起こす原因となります。軽微なものであれば、パテやシーリング材を充填し隙間を埋めることで補修できます。
ひび割れが中程度の場合、モルタル外壁であればパテやシーリング材で充填した後に弾性塗料でひび割れ部分を塗装します。サイディングの外壁材でひび割れが中程度の場合は、ひび割れの部分のパネルを交換する可能性もあるでしょう。
しかし、ひび割れ具合がひどかったり、ひび割れている箇所が多い場合は全体的な外壁補修が必要となるケースもあります。モルタル外壁やサイディング外壁の場合は、カバー工法や全体的な張り替えをする可能性がより高くなるでしょう。
幕板から雨水が侵入している場合
サイディング外壁に設置されている幕板は、デザイン性を高くし横の目地を隠す役割があります。幕板に隠されているシーリング材は傷んでいても見えにくいため、放置することで劣化が進んでしまい雨漏りを発生させてしまうことがあります。
特に普段目につきにくい箇所であるため、雨漏りが発生してから気づくケースも少なくありません。
幕板から雨漏りしている場合も、主に目地に充填してあるシーリング材が原因であることが多く、他のケースと同様に既存シーリング材の撤去や充填を行い補修します。
水切り金具の劣化による雨漏り
異なる部材同士を接合する部分には、雨漏りしないように水切り金具が使用されています。しかし、この金具自体が腐食することで雨漏りの原因となってしまうことがあります。
軽微な劣化の場合は、シーリング材などを使用して固定しますが、劣化症状が進むと、水切り金具の交換や、水切り金具が足りない部分に増設するなどの補修が必要となります。
雨漏りの補修リフォームにかかる費用は?
雨漏りの補修リフォームを行う場合、費用はどれぐらいかかるのでしょうか?
まず、小規模なひび割れや塗装の劣化が原因の場合は、再塗装による対処となり、費用はウレタン塗料を使用した場合、下地調整を含めて1平方メートル辺り約3,000円が目安となります。
ベランダ等の設備と外壁の接続部分に施されているシーリングが劣化している場合の修繕費用の相場は、1メートルあたり約700円、サイディングボードの目地を補修する場合も同じ価格相場です。
壁の中まで雨が侵入し、構造物が傷んでいる場合は、大がかりな工事が必要となり、建物の状態によっては約200万円かかることもあります。
ただ、費用については雨漏りや劣化の状況によって大きく変わるため、リフォーム会社に調査と見積もりを依頼すると良いでしょう。
サイディングボードの張替えについては、窯業系サイディングなら1平方メートル辺り約10,000円、金属系なら1平方メートル辺り約8,000円が目安です。
重ね張りの場合は既存の外壁材を撤去する費用を抑えることができるため、窯業系サイディングなら1平方メートル辺り約9,000円、金属系なら1平方メートル辺り約7,000円が相場となります。
外壁からの雨漏りの修理費用を抑えるコツ
実は外壁から雨漏りがした場合、ある条件を満たすことで、雨漏りの修理が無償でできる可能性があります。では、外壁からの雨漏りの修理費用が抑えられるある条件とはどのようなケースなのでしょうか。
補修が無償になるケースとは
外壁からの雨漏りは、塗膜の劣化の他に施工不良が原因で発生することがあります。
塗装業者による施工不良が原因で雨漏りが発生した場合、「住宅瑕疵担保責任保険」の期間内であれば、無償で外壁の修理を実施できる可能性があるのです。
雨漏りの原因が経年劣化なのか施工不良なのかは「塗装してから10年以内か」という期間をもとに判断されます。
もし、新築後や塗装後10年以上経過していない場合は、住宅瑕疵担保責任保険の期間内であるため、修理費用が無償になる可能性があります。
心当たりがある場合は、施工した業者に連絡し住宅瑕疵担保責任保険が適用されるのかを確認しましょう。
火災保険は適用される?
外壁からの雨漏りに、火災保険や住宅総合保険などが適用される可能性があります。これは雨漏りの原因が自然災害であるとみなされたときに適用されるものです。
自然災害による雨漏りである可能性がある場合には、まず、加入している火災保険などの適用条件を確認し、分からない場合は保険の窓口に相談してみるといいでしょう。
DIYで雨漏りの修繕を行うことはできる?
外壁の小さなひび割れなどはシーリング剤で塞げば防水することができるため、DIYで補修しようと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、内部に侵入した雨水の量は見た目では判別がつきにくく、プロでも専門の調査機器を用いて確認を行っているため、素人が外見から判断するのは危険です。
もし見た目は小さなひび割れだったとしても、壁の中に多くの雨水が浸入していた場合、建物の強度は著しく低下してしまいます。
このような状況では、コーキング剤などを用いて防水を施しても、内部に残った水分によって劣化が進行し、ちょっとした地震や台風で建物が倒壊してしまうかもしれません。
DIYで補修できれば費用を抑えることができますが、将来的な安全性や修理コストを考えた場合、リフォーム会社に作業を依頼した方が安心だと言えます。
外装から雨漏りした時にできる応急処置とは
外装から雨水が浸入してしまう原因は、建物表面の下に施された雨仕舞と言う部分が破損してしまったことが原因のひとつです。
建物の外装には、塗装や壁材だけでは無く、防水紙や防水シートなどを用いることで塗装面を抜けてきた雨水を中の構造体まで到達させない必要があります。
雨漏りがすでに起こっている状態では、この雨仕舞に何らかの破損が起きていることが考えられますので、応急処置だけでは完全に雨漏りを防ぐことはできません。
ただ、外壁塗装などを用いて雨漏りを短期間の間防ぐことは可能です。
ホームセンターなどで販売されているコーキング材を用い、外壁に見えるひび割れなどを防ぐことである程度雨が建物に染みこむことを予防できます。
しかし、この方法はあくまで応急処置であり、そのまま放置していると構造に雨が侵入して建物自体がどんどん劣化してしまい、外壁塗装だけでは雨漏りを防げなくなってしまうでしょう。
建物の劣化は目に見えにくいものですが、耐震強度の低下など重大な結果を招きますので早めの対処が肝心です。
外壁が雨漏りする原因は?
外壁から雨が侵入する原因は、先ほど説明したように雨仕舞と言われる耐水層に破損が起こっていることが原因のひとつです。
この部分は防水シートや防水紙、塗装などで構成されているため、建物が歪んでしまったり、地震などで外壁が動いてしまったりしてもそこまで簡単に破損してしまうことはありません。
しかし、施工後メンテナンスを行っていなかったり、建物が老朽化していたりすると、ちょっとした揺れや夏場の高温による建物の伸縮によってわれてしまうのです。
外壁の種類でメンテナンスが必要な周期は変わる
外壁の劣化が原因で雨漏りが起こるのはわかりましたが、実際にどの程度の周期でメンテナンスを行えば雨漏りなどのトラブルを予防できるのでしょうか?
これは、外壁の種類にもよるため、一概には言えませんが、大抵の外壁材では平均して10年程度がメンテナンスの時期だとされています。
ただ、レンガやタイルのような素材のサイディングボードを用いた外壁の場合は、ややメンテナンスまでの時期が短くなり、7年を超えるとメンテナンスを行った方が良いといわれているようです。
レンガやタイル系の素材はあまり劣化することが無く、外壁としての寿命も数十年単位になりますが、シーリング材やボードに塗られている塗装が劣化してしまうため、意外と早い段階でメンテナンスが必要となります。
他の種類の外壁材も環境や使用する材料、工法によってメンテナンスの時期は長くもなりますし、短くもなります。
トラブルが起こって修理のために多額の費用が必要となる前に、数年に1回程度は専門家にチェックして貰うと良いでしょう。
外壁塗装やリフォームの相場はどれぐらいかかる?
外壁部分から雨漏りが発生した場合、どうやっても応急処置だけでは完全に修理することは難しいので、リフォームを行って治さなければいけません。
この際にかかる費用ですが、雨漏りの原因や範囲、構造へのダメージの度合いによって施工料金は大きく変動します。
もしちょっとしたひび割れやシーリングの劣化が原因で、範囲も小さいものならちょっとした作業で修理できる可能性があるため、約10万円程度が目安となるでしょう。
しかし、大きく破損していたり、構造部分が雨によって劣化してしまったりしているような場合は、外壁そのものを大きくリフォームする必要があるため、約300万円を超える料金になることも珍しくないようです。
外壁のメンテナンスにかかる費用は?
というわけで、外壁には定期的なメンテナンスが必要ということがわかりましたが、外壁のメンテナンスに必要な費用はどの程度が相場なのでしょうか?
外壁のメンテナンスにかかる料金は、使用している壁材や塗装、メンテナンスの内容によって違うため、価格の目安というものはお住まいの状況によって変わってきます。
例として、塗装だけでみた場合、標準的な2階建ての建物なら、アクリル樹脂系塗料で約110万円、ウレタン樹脂系なら約125万円、シリコン樹脂系なら約140万円、フッ素コートを用いている場合は約210~250万円が相場です。
サイディングの張替工事を行う場合は、既存の外壁に重ねる重ね張り工法なら約200万円、張り替えなら約300万円となります。
屋根とセットで補修する場合の値段は?
外壁をメンテナンスするなら、屋根のメンテナンスもセットで行いたいと考えた場合、価格はどの程度追加になるのでしょうか?
こちらも屋根の材料や工法によって変化するため、ご自宅の状況で料金が大きく変わってきますが、洗浄と塗装だけを行う場合は、外壁塗装に必要な料金プラス、屋根の面積分の費用で施工できるようです。
もし屋根材を交換したり、全体的なコーキング材の張塗替えを行ったりする場合は、シーリング工事費用として約15万円値段があがります。
防水紙や防水シートの張替えが必要な場合は、どちらも1平米あたり約300円程度が価格の目安です。
値段自体はお手頃に思えるかもしれませんが、下地材である防水紙やシートだけを貼り替える工事というのはできず、外壁材や屋根材の際に同時に行う工事と交換となりますので、サイディング張替やモルタル塗り直しなどの費用がかかります。
外壁塗装の施工中に気をつけること
外壁のメンテナンス中は足場を組み、窓やエアコンの室外機が塗料などで汚れてしまわないように養生を行うため、窓が開けられなくなったり、エアコンが使えなくなったりしてしまうことがあります。
また、洗濯物なども屋外に干すことは難しくなってしまうので、室内で干せるように準備しておくと良いでしょう。
もしどうしても開け閉めしたい窓がある場合は、養生を行う施工開始前に業者と相談してください。
エアコンの室外機についても、室外機周辺で作業を行う時以外は使えるように養生してくれることが多いようです。
もし不安なら、工事中にエアコンが使えるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
窓の洗浄料金はどれぐらい?
折角外壁をメンテナンスするなら、窓も綺麗にして欲しいと思われるかもしれませんが、窓の洗浄については外壁を高圧洗浄する際に同時に行われるため、追加での費用はかかりません。
ただ、高圧放水による窓の洗浄では、手で磨いたように綺麗にはなりにくいので注意が必要です。
網戸はピカピカになりますが、窓を綺麗にしたい場合は専門の業者に依頼した方がきれいになるでしょう。
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この記事の監修者プロフィール
タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。
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